改めてクラウンとしても注目されるようになったまこっちゃん。まこっちゃんの仕事の変化とは?
14:大展開期(1)前夜編
かつては木下サーカスとともに日本のサーカスの2大団体と言われていたキグレサーカスも2009年の新型インフルエンザ流行の影響による経営不振のため廃業解散してしまい、キグレにいたクラウンのうちのひとりは大道芸人になってしまいました。別のひとりはテレビ局のADに転職してしまいました。そのように日本では、モンテカルロのサーカスオリンピックで金賞を取ったほどの大手サーカス団出身でも、残念ながら脚光を浴びることはありません。
今ではアメリカのリングリングサーカスで活躍していた日本人女性のクラウンもいますので、クラウンの逆輸出現象も見られます。シルク・ドゥ・ソレイユにも日本人アスリートがレベルの高いパフォーマンスで出演してますが、それは彼らの活躍の場が日本にはないということでもあります。ちなみにシルク・ドゥ・ソレイユではほかのどのサーカスアーティストよりもクラウンのギャラが一番高いと言われていますが、現在、シルク・ドゥ・ソレイユには日本人がクラウンで出演しているユニットはまだありません。
そんな情況なので、現在サーカスが4団体しかない日本で日本のクラウンはサーカスという活躍の母体を持たず、かつては主舞台だったイベント業界も様変わりし大道芸に押されつつある昨今です。
地元ミュージシャンのPVにも参加しました。
しかし時代はさらに新たな変動期を迎えました。
まずひとつはイベントの細分化です。例えば大規模な食のイベントがあったとすると、それが「全国鍋祭り」になり、やがて「全日本もつ鍋フェス」や「日本全国寄せ鍋サミット」などに変化してゆくというような感じで、もともとあったテーマがいくつかのテーマに分割されてゆくという構造です。幅広い客層を狙ったイベントから、「全国」とか「全日本」と書いてはあるもののテーマがだんだん狭く絞られ細分化してゆくのです。つまり鍋祭りに来ていた来場客はもつ鍋フェスにも寄せ鍋サミットにも来る可能性が高いので、それによって特定の好みの観客を見込めるイベントの数を増やすことができるのです。ただ、絞り込めば絞り込むほど種類が増えることになるので、なんでもできるわけではありません。またニッチなテーマは外れる危険性も孕んでます。
もう一方はイベントの地域密着化です。特定の大企業がスポンサーにつかないタイプのイベントで、地域の起業家や芸術家など市民が主催者になって助成金やクラウドファンディングで開催するものです。最近各地で活発に開催されていてなかなか盛り上がるタイプのイベントですが、起業家や芸術家の活動の見本市的な役割という側面が大きく、開催できたとしてもパフォーマーにギャラを支払うほどの予算の余裕はありません。クラウンへのニーズは高いのですが、そういった予算の事情から大道芸人に依頼するパターンが多いですね。それに、こちらの方もテーマが分割されさらに細分化される傾向にあります。
クラウンたちは、継続的な大規模イベント群で安定的な仕事の確保というのが困難になり、イベントが単発化されることによって仕事もそれぞれ単発で請け負うことになります。細分化されたテーマが専門的になればなるほど、そのイベントがクラウンと合う合わないという差がだんだん大きくなり、結果イベントへの出番が減少するということが起こっているのです。
まこっちゃんの地元横浜でも大小合わせてイベントは多いのですが、以上の理由からクラウンの出番はなかなかないといった情況が続いているのです。
★
しかし最近になってやっと、大道芸ではなくあくまでもクラウンだからというチョイスでパフォーマンスのご依頼を戴くケースが出てきました。
通り全体を使ったフラッシュモブ的なパフォーマンスやプロレスのリング上でのクラウン・ショー。多ジャンルのアーティストが共演する公演への出演など、クラウンらしさが発揮できるような新しい表現の場も出てきました。
まこっちゃんはもともと個性とかこだわりなどをまったく重視してこなかったので、新しいことに取り組むことにはあまり抵抗もなく、時にはクラウンまこっちゃんソロで、時にはQAVOで、クラウン以外のまったく異なるジャンルのアーティストとの共演やコラボレーションも楽しくやっていて、新しいジャンルの新しい仲間もたくさん増えてきました。
2016年には児童夢基金様の被災地支援プロジェクトで被災地熊本の避難所に行きQAVOによるショーも行いました。
クラウンとして活動の幅を広げること、そしてクラウンをより知ってもらうこと、その地道な積み重ねが少しずつ身を結んできたのかもしれません。
2018年、テレビの人気番組『モヤモヤさまぁ~ず2』が『クラウン的な稽古会』の様子を放送してくれることもありました。
最近、実はクラウンを見たいという人は増えています。しかし地域型イベントは増えてもクラウンがマッチングするようなイベントは少なく、クラウンの出番が少ない情況が続いているので、クラウンを見たい人に対して実際にパフォーマンスを見ていただく機会がなかなか作れません。そこでまこっちゃんはついにYouTubeで動画配信をすることにしました。
https://www.youtube.com/channel/UCP7vC2Vl42Eo7biNXnBVofA
動画配信といっても、ショーを撮影したものやネタを実演した映像をただ流しても芸がないと考えたまこっちゃんは、一本20秒ワンカット撮りきりで毎回違う内容のオリジナル動画を月二回アップするという企画で動画を作ることにしました。そして、ふだんなかなか共演することができない他ジャンルのアーティストやパフォーマーと、20秒の動画でなら手軽に共演できるので、この動画プロジェクトを共演機会としても活用することにしたのです。
しかしじっさいに撮影を開始し、動画をYouTubeにアップし始めたところですぐにまこっちゃんは誤算に気づきました。
最初は手軽に撮影できると考えられていたのですが、その動画のためだけの20秒ネタを毎回考え、ロケハンし、撮影許可を得たりなどの交渉や手続き、ネタの準備と練習、当日準備とロケ地への移動、現場でのメイク&撮影準備、そして撮影→編集→完成→公開、といった具合に、ひと作品は20秒でもそれはかなり大掛かりな作業だったのです。それを月二回の配信に合わせて作り続けるわけですから、これは大変でした。
さらに、蓋を開けてみれば共演を持ちかけた相手にはほとんど断られてしまうという事態になり、結局一年間で二回の共演のみであとはぜんぶソロ出演という情況が続きました。
しかも宣伝も虚しく、せっかくアップした動画もほとんど見られていないという厳しい情況が追い討ちをかけます。
それでもまこっちゃんは、クラウンというものを見てもらえる機会は多いに越したことはないと考え、場所と時間を選ばす見ることができる動画の配信を一年間続けました。今後また機会があったら体勢を整えて再開することも考えています。
ぜひ動画だけでしか見られないクラウン独特の面白さを感じていただけたら、と思います。
そして近頃のまこっちゃんは、クラウンとしてだけではなく、ギャグなしパフォーマンスなしメイクなしでクラウンを語る専門家としてトークショーに出演するというさらなる新しいことにもトライしています。
そして迎えた2019年、平成も終わり、新しく令和に年号も変わる年。クラウンカレッジ・ジャパン30周年に当たる年ですが、まこっちゃんの企みによるクラウンの大イベントが開催されました。そのための準備はすでに始まっているのです!
2019年秋。まこっちゃんを中心として準備が進められてきた、日本全国からクラウンが集まる大イベント『クラウンばっかりフェス’19』開催。その全容とは?
Next↓↓
One thought on “14:大展開期(1)前夜編”
コメントは受け付けていません。
基本的な姿勢は変わらないまま進化し、さらに深みを増すまこっちゃんのパフォーマンス。そんなまこっちゃんのクラウン・ショーを、あなたのために出張公演いたしますので、ぜひご依頼ください。
↓↓
https://clownmakoccyan.com/contact/