10年以上前のことです。

初めてまこっちゃんは海外に行くことになりました。

成田空港で荷物を預けたら……警備の人ふたりと検査官がやってきて別室に連れて行かれました。荷物のX線画像にはしっかりと拳銃の影が映っていました。

ケースを開けさせられて、説明をさせられました。

この拳銃ですが、金属製でかなりしっかりした作りになってますが、引き金を引くと銃身がポッキリ折れてしまう仕掛けになっています。もちろん弾なんて出ませんし音もしません。

自分がパフォーマーで、どんなショーでどういう風に使うのかを説明したら、実演しろと言われました。

実演しました。

3人は笑いもしません。

拳銃はビニール袋に入れられ、剥がすと切れ切れになってしまうシールを貼られ、空港を出るまで開封しないように言われました。

なんかアメリカの古いコメディ映画の一場面のような出来事でした。

ということで、なんとか無事に日本を飛び立つことはできましたが、同行した者たちからは使う予定のない小道具は置いてこい、と散々言われました。

でもねぇ、ホラ、現場でよく「アレ持って来ればよかった」ってことになるパターンってあるじゃないですか。だからいつもある程度の小道具は常備してるんです。

さすがに国際線の飛行機の荷物に拳銃は……でも、持って行けましたよ。

帰国時は現地の空港で先に口頭で申請したら「イッツオッケー」って、あっさり、見もしないで通されました。

また検査室で実演かなぁって覚悟してたのに。